侵入者

先日、電車に乗りました。

ボックス席が空いていたので、そこに相席させてもらいました。

座っておられた方は読書をされていたので、私も読書をしました。





すると・・・




ブーン　カサカサカサ





って音がしたので

「蛾！？」

と思って顔を上げると、なんと体が水色の綺麗なトンボさんでした。



トンボさんは閉まっている窓から見える景色に向かって必死に飛ぼうとしていました。

でも、窓が閉まっているので当たって落下してしまいました。

窓は向かい側の席の方とこちら側の席の方のつまみを同時につまんで一緒に持ち上げると開けることが出きるタイプのものでした。

どうしようかと思っていると、向かいの方が気がつかれて

「あら！」

って仰ったのと同時に、窓にアタックを続けていたトンボさんは私の方に落ちてきて私の服につかまってしまいました。




それで思い切って、向かいの方に


「窓を開けても良いでしょうか？」

と伺うと、

「そうですね、そうしましょう」

と仰って

「せーの！」

って二人で窓を開けました。




肝心のトンボさんはまたまた窓にアタックして床に逆さになって落下していたので、

虫を触るのはとても怖いのですが、頑張って指を差し出してトンボさんが止まってくれたので、

丁度駅につく頃で電車の速度も落ちていたので

窓の方に手を差し出すとトンボさんは気持ち良さそうに飛んで行きました。



ふたりして

「良かったですね」

と言って、また一緒に窓を閉めてから、それぞれ読書に戻りました。

向かいの方も優しい方で良かった。

なんだか、ちょっと思い出深い電車の時間になりました。