積み重ねてきたもの

発症して１４年目。

出来なくなったことが沢山ありました。

なんとか社会復帰しようと、何年もかけて練習してきたものがあります。

その練習は今でも続いています。



寝る時間と起きる時間を家族に合わせるように練習しました。

まだ、完全には出来ていないけれど、数年前のようにお昼にならないと動けないという状態からは改善されました。

何とか、朝は起きられるのですが、動き出せるのは大体１０時くらいです。

外出する予定がある時は頑張るのですが、大抵９時半を過ぎます。

それでも、どうしてもという時は、とても頑張ります。

ただ、帰宅してからはもう動けません。




今は兎に角、外出する練習をしています。

公共交通機関に乗る練習では、電車とバス、たまに市電の練習をしています。

最近は、また市電が恐怖対象になってきたので、乗らずに歩いています。

電車とバスは、体調は悪くなるけれど、何とか乗れるようになってきました。

タクシーと飛行機、船はまだ難しいです。

飛行機は一番怖いです。今までの人生で乗ったのは４回です。それは元気な時の話です。この先も飛行機は乗れないかな、と思います。



自転車は、昨年から練習しています。

学生時代は自転車通勤をしていたので乗る能力はあるのですが、発症してから乗れなくなりました。

友人の助言もあって、練習を始めたおかげで、今はなんとか乗れるようになりました。

目下の目標は、走行距離を延ばすことです。



人と会う練習をしてきました。

大抵、昔ながらの友人で、私の病気を分かってくれている人たちが多かったのですが、ここ数年はそうでない人と会う練習もしていました。

初めて会った時に、自分の退行のことを告白すると、その後の時間を過ごすのが少し楽になり、後の反動も少なくなってきました。



時間に間に合う練習をしてきました。

遅くとも待ち合わせ時間の１０分前に着くように心がけています。

今までは、１時間以上遅れたり、待ち合わせ時間を過ぎてからドタキャンをしたりしていました。

今は、電車に乗る練習と並行して、乗る予定の電車やバスの発車時刻１０分前に駅やバス停に着く練習もしています。

まだ、書道教室は遅刻することが多いのですが、そこはまた別の問題なので良しとします。

最近は、間に合わないことに不安を覚えるようになりました。

良い傾向だと思います。





でも、これらの練習の成果を良くなったと実感出来るのは、母や先生に話して同意してもらった時くらいでした。

ところが、先日ハローワークに登録する際に、通勤手段を選ぶ欄があって、そこで「電車」「バス」「自転車」にチェックが出来たことで、「認められた」「成果があった」と客観的に実感出来たのです。

とても、嬉しかったです。

まだまだ、勤め始めるまでには時間もかかるし、ハローワークに通うことになりますが、大きな一歩だと思います。

そして、苦しくても、しんどくても、自分なりの行動治療を続けてきたことは、こうして数年経って、着実な成果として実を結ぶんだということが実感出来たことが、何よりの喜びです。

これからも、自分なりの行動治療を続けて、社会復帰を目指したいです。