閑話休題

…うん、やっぱり実家だめだ。

しんどいし、親父が帰ってくるのを考えると気が滅入る。

親父に気を使いまくってる自分がいる。

ここには、俺の居場所はないんだ。

ここは俺の居場所じゃねぇんだ。




すまんな。

やっぱり、俺は、俺の家が一番なんだ。

周りから何を言われても、俺は俺でいたいから。

俺は俺の場所で暮らしていくよ。

金の続く限り。



実際問題、今は貯金を切り崩しながら生活をしてる。

「そうまでして、そこで暮らさんでも、実家に戻ってくればいいじゃん。」

それが大方の人の見解だろう。

だがな、違うんだ。

こればかりは、譲れない。



仕事ができない。

親に援助してもらっている。

無理をしている。

それでも、実家には戻れねぇんだよ。

すまんな、みんな。

俺はもう、ここじゃダメなんだ。



貯金がゼロになる日までには、なんとかして働きたい。

あの場所を手放したくないんだ。

俺にとって、かけがえのない場所なんだよ。

一番、落ち着ける場所。

今さら、場所を変わるなんてできない。

実家に比べりゃ、確かに不便かもしれないが、

俺はあそこが好きなんだ。

便利さの問題じゃないんだよ。

居心地がいいんだ。



俺のやじろべぇの中心は、きっとあの場所。

右の端っこが、実家。

左の端っこが、園。

そんな場所なんだよ。



裏の川には、鳥たちがいて、

散歩をすれば、花々に出会え、

新幹線も通れば、

高速道路を車が通る。

ベランダ側には、新しいマンションが建ち、

それも間もなく完成だ。

病院にも、職場にも、ちょうどいい距離。

自分で運転して移動できる場所なんだ。

実家に帰るときゃ、おかんが運転してくれる。

最近は、ひとりで留守番だって出来るんだぜ。

レンジでチンすりゃ、めしも作れる。

他の事はできないが、おかんがやってくれる。

今は、甘えているけれど、いつかはひとり立ちする日が来る。

焦らなくていい。

自分のやりたいことをやれば、いつかきっと良くなるんだ。



そのために、必要な場所なんだよ。



時間はたっぷりあるが、金がない。

人生、なかなか上手い具合にはいかないもんだ。



さぁ、思う存分楽しもうぜ。

心は自由なんだ。

俺の心は自由なんだ。