心のリハビリ －崩れる－

今日は書道クラブの日。

今日の日を待っていた。

今度こそ、ちゃんと乗り越えようと。

園に行って、ちゃんと書道をしている自分を思い浮かべる。

最後まで、落ち着いて。



いつもより早く出発した。

いつもより早く到着した。

出だしは好調。

面会票の文字も大人の字が書けた。

調子も良い。

テンションが高い。



クラブが始まった。

書く。書く。書く。

利用者さんにもちゃんと挨拶できる。話も出来る。

職員さんにもちゃんと挨拶できる。話も出来る。

今日こそ大丈夫だ、と思った。






スイッチが入った。









気がついたら、退行していた。

書くのを止めて楽しい話をしたら良いと薦められた。

自分がとても情けなかった。

悔しかった。

それでも書いた。

おかしくなりながら。

周りの反応が気になった。

変に思われていないだろうか。

以前言われたことが気になった。

この状態を利用者さんに見せることは好ましくない、と。

自分でもそれが正しいと思っているだけに、それを守れなかった自分に対して、腹立たしかった。

自己否定が強くなる。

調子はどんどん崩れていく。






諦めて、片づけた。

手を洗いに行った。

そこで出会った人を見て、掛けられた声に温かさを感じて、涙が出てきた。

もう止まらない。

悲しかった。

こんな状態になってしまったことが。

悔しかった。

最後まで調子を保てなかったことが。

申し訳なかった。

みなさんに迷惑をかけることが。






職員さんに連れられて、作業室に戻った。

温かい声を掛けてくれる。励ましてくれる。

ありがたかった。

だけど、涙は止まらない。

私の泣き声は消えない。

利用者さんにも、職員さんにも、先生にも慰められた。

次第に良くなっていった。

それをみんなが喜んでくれた。

嬉しかった。









「無理に頑張ろうとしなくて良いんだよ。」

「早く良くなろうと思わなくて良いんだよ。」

「迷惑だなんて思わなくて良いんだよ。」

「変に考えない方が良いんだよ。」

ＯＴさんがそう言ってくれた。

嬉しかった。

本当に良い人が来てくれたと思った。

この人で良かったと思った。






私の心の中にあるこだわり。

これが消えて、ありのまま、今のままを受け入れられれば。

周りの変化を受け入れられれば。

そうすれば、もっと楽になるんだろう。

それまでには、まだまだたくさん涙を流すだろう。

たくさんたくさん悩むだろう。

でも、それを乗り越えれば、私の前には明るい未来があるはず。

きっと辿り着けるはず。



だから、今日のことは、今日のこと。

次回、また新たな気持ちで迎えよう。

今は自分のできることを、自分のペースで。

それしかないよね。