静かに時は過ぎる

今日は雨。

朝からずっと雨が降っている。

朝、目覚めたら、雨音が静かに響いていた。

いつもより、退行時間が長い。

雨の成せる業なのだろうか。

なかなか、思うようにいかない。

動き始めが遅い。

それでも、頭の中は、いろんなことが目まぐるしく巡っている。

やりたい気持ちはあるのに、動けない。

億劫感…とでもいうのだろうか。

そんな中、無理やり身体を動かし、行動に移す。

なぜなら…



１人は寂しいから。






母が、今日は実家で用事がある。

付いて行くのは嫌だけど、一人になるのはもっと嫌。

だから、頑張った。

私なりに。



あまり、何もしたくない。

車の中でも、静かだ。

車から降りるのも、たいぎい。

私の用事で、母が役所に行く。

私は車の中で、ただ静かに待っている。

ありがとう。

いつも、私の代わりにいろいろしてくれて。



実家では、父が待っていた。

父の休日は不定期だ。

土日は、もちろん仕事。

休みはいつあるかわからない。

前日に知らされる。

幼い頃、父とともに過ごした記憶はあまりない。

母が、私たちの全てだった。



それが今、このような形で、父と過ごすことになっている。

事実、とても疲れる。

気を使う。

それでも、父も母も、同じように私を慈しみ見守ってくれている。

感謝。



弟からの荷物が届いた。

母の今日の目的はこれだ。

中身は…

弟からの母の日のプレゼント。

今年度より、社会人となった弟の、初めてのプレゼント。

家族３人、喜んだ。

１人暮らしは大変だろう。

いろいろ悩むこともあるだろう。

それでも、こうして家族のことを考えてくれている。

そんな弟が、私は大好きだ。

弟のプレゼントに、感動した。

我が事のように、嬉しかった。



午後から、私は父にパソコンを教える。

何年も、「やるぞ」というようなことを言いながら、

まったく行動に移さなかった、有言不実行の父だが、

今年から、ようやくパソコンをし始めるようになった。

母と私で、いろいろ計画をたててたのが、ようやく形になってきた。

初めてパソコンを目の前にした時、

マウスを空中で必死に動かしていた父。

…それじゃ、動かないんだけどね（笑）

今では、大分、タイピングもできるようになってきた。

今日は、ネットを母と私で教えたら、とても興奮していた。

少しずつ、少しずつ、父にも楽しみができたら、

それはとても嬉しいことだ。

父もパソコンができるようになって、嬉しそうだ。

母も、嬉しそうだ。

だから、私も嬉しい。

今日は、エクセルの罫線の練習だ。

これまた、マウスがあらぬ方向に飛んでいく。

以前よりかは、大分ましになったが、まだまだだね。

頑張れ、父さん。



そして、母と共に雨の中、図書館へ。

図書館の本棚で本を探す時間が、私は好きだ。

純粋に、楽しい。

一年前は、怖くて近づけなかった図書館に、

今ではこうして通っている。

大分、成長したな、と思う。






今日は、なんだか静かに時が過ぎていった。

きっと、私の心が落ち込んでいるせいだろう。

変に気持ちが昂揚することなく、淡々と時が過ぎていく。

もちろん、ところどころで退行は出るが、いたしかたない。

まだまだ、退行する私との付き合いは長くかかりそうだ。

それでも、私は前に進んでいるのだろう。

亀のように、ゆっくりと。

今の時を、踏みしめながら。



今日は、これから夕食を食べて、再び我が家へ帰る。

これが、私の予定だ。

母には、面倒をかけるが、我が家に帰りたい。

いい子になろうとする自分を、必死に抑えて、

「これでいいんだ。」

と言い聞かせなければ、罪悪感で押し潰されそうになる。

…まだまだ、修行が足りないな。



もっと、甘えて良いんだと思う。

そして、それを許したら良いんだと思う。



…そんな風に思うけれど、なかなか納得できない自分が、まだまだ心の何処かに居座っていて、私の心を乱す。

何も考えず、ただ静かに時を過ごしたい。

思うがままに行動し、それを心から認めてあげたい。



いつまでたっても、成しえない、私の目標。

これが、自然に成し得るようになれば、それは私の新たな旅立ち。

そう、ただ今は、静かに時が過ぎるのを、

静かに、静かに見守るのだけなのだ。

たゆたう時の流れに、身を任せ…