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2004年に勤務先が原因でパニック障害とうつを発症して、その後退職。現在も治療継続。まだまだ周囲の助けが必要だけれど、少しずつ回復しています。
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読書、書道、華道
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パニック障害、うつ、退行現象など。
発症から19年目に突入。
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2006年07月18日 (Tue)
朝、○さんがメールをくださいました。

今日の書道クラブはあるということでした。

とても嬉しくて、すぐに返事をして、先生にも電話しました。

だけど、退行クンが暴れていたので、なかなかもどかしかったです。

それでも、先生とクラブで会うことを約束して、今日の私の目標は決まりました。



あまり調子が芳しくなかったので、午前中はずっと寝ていました。

午後からも、なかなか調子があがってきません。なんだか変な感じ。

だけれど、習字はしたいし、行こうと思う。

ギリギリまで、母がついていてくれました。

そしていよいよ出発。



最近では、いろいろなパターンをシュミレーションしてから出かけます。

以前、失敗したことがあったからです。

出かける前の呪文。

「自分の可能性を信じる。」

そして、母と何度も確認。


①クラブがあったら、参加する。

②クラブがあって、終って調子が良かったら、お話する。

③クラブがなかったら、深呼吸。調子が良かったら、お話する。

④何か言われた時、大丈夫なように心構えをしておく。


これが、結構しんどい。

色んなパターンを考えることはとても大切だけど、悪いことまでも考えなくちゃいけないから、それでとても緊張してくる。

一人で運転して向かう最中、

身体は緊張しまくり、

表情は硬く、

心にはさざ波が立ち始め、

どんどん悪くなっていきます。



どうしてだろう?



そう考えてもわからない。

駐車場に到着して、しばらく車の中で心を落ち着かせる。

「よし、大丈夫。」

そう言い聞かせながら、車から降りて玄関へ向かう。

まだ、大丈夫。



だけど、玄関から入ったら、何かおかしい。

自分でもわからない。

面会者名簿に字を書く。

おかしい。

字が書けない。

退行している。

ヤバイ。



○さんに挨拶。

でも、回復しない。

作業室に向かう。

足が思うように動かない。

優しい利用者さんが、手を引いてくれた。

「よちよち歩きになったん?」

って言いながら。

連れて行ってくれた。

ありがとう。



作業室に着いた。

いつもよりも遠い道のりだった。

退行クンは、まだ暴れている。

いや、緊張クンかな。

とにかく、調子は悪い。

席に着く。

なかなか準備できない。

身体中が緊張している。

利用者さんと先生が、私の代わりに準備してくれた。

ありがとう。



筆を持つ。

足が震えだした。

痙攣だ。

両足ともガクガク。

ダメだ。

出来ない。

書けない。

こんなに気持ちは書こうとしてるのに。

今はできない。

悔しい。

悔しい。

どうして。

どうして。



先生や、職員さんが言ってくれた。

「落ち着くまで、話をしてればいいよ。」

嬉しかった。

みなさんに心配をかけてしまった。

情けなくて、申し訳なかった。

だけど、身体はどうにもならない。

涙が溢れてくる。

半紙に水滴が落ちる。

次から次へと、滲んでいく。

悔しかった。

これが私の支えなのに。

出来ない自分が悔しかった。

朝から寝て、充電して、シュミレーションして、到着して、ここまで来たのに、出来ない。

そんな自分がもどかしかった。






どれくらい経っただろうか。

私にとってはとても長い時間だった。

ようやく筆を持てた。

最初は課題じゃないのを書いた。

お手本を見ずに、自分の字で。

「秋桜ゆれる」

字が、涙で滲んでた。



でも、書けた。

それが嬉しかった。

もう一枚、同じのを書いた。

今度はさっきよりも、良い感じ。

これなら、出来ると思った。

三枚目は、課題を書いた。

ちゃんと書けた。

嬉しかった。

それから、調子はどんどん戻っていった。



話し言葉はまだまだおかしいし、筆の加減もいつもよりもぎこちない。

だけれど、書けた。

書けるようになった。

持ち直した。

みんなのおかげだ。

ありがとう。



それからは、あっという間だった。

何枚も書いた。

いろいろ言い合いながら。

それが楽しかった。

みんなと一緒に出来ることが嬉しかった。

出来た作品をみんなと一緒に飾ってもらえる。それがありがたかった。



片づけをしている時、ふいに誰かが私の目を覆った。


!!!


誰だかわからない。

みんなは笑ってる。

うーん、誰だろう?

何も言わない。余計にわからないぞー。



その時の私の困り具合は、見ていて面白かったに違いない。

そんなことをしてもらえることが、私は嬉しかった。



手が離れた。

振り向いた。

そこに、懐かしい職員さんの顔があった。

ふいに涙がこみ上げてきた。

嬉しかった。

「△さーん!!」

と抱きついて、泣いていた。

声を上げて泣いていた。

今度の涙は、嬉し涙。

会えたことが、本当に嬉しかった。

その笑顔が、嬉しかった。

安心したんだ。

以前と変わらない、その優しさに。

心から、嬉しかった。



それから、いろいろした。

片づけをした。

利用者さんと話しをした。

リハビリの見学をした。

リハビリについて話をした。

最後には、とても穏やかな気持ちになっていた。






やっぱり、私はここが好き。

この人たちともう一度、一緒に働きたい。

この人たちのリハビリがしたい。

頑張ろうと思う。

もう一度、あの場所に立つ日まで。






一年前。

母に手を引かれてじゃないと、玄関をくぐれなかった私がいた。

人と話すのがとても怖かった私がいた。



今。

一人で、玄関をくぐれる私がいる。

人と笑顔で話せる私がいる。



きっと、大丈夫。

私の心のリハビリは、まだまだ始まったばかりだ。

目標達成まで、てくてくと歩いていくんだ。

きっと、大丈夫。

自分を信じて。

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