ふたつのこころ

わたしのなかには　ふたつのこころがある

あせるこころと　それをとめようとするこころ



「あせる」ということばは　ほんとはつかいたくない

だって　ことばには　ちからがあるから

ことばをつかうたびに　わたしのこころに　ふしぎなちからが　はたらくの

だから　なるべく　つかわないようにしてる



だけど　ときどき　きがつくの

だれかが　そっと　おしえてくれるの

いま　こころがあせってるよ　って

そしてわたしは　きがつくの

じぶんのあせりに　きがつくの



そしてでてくる　ふたつのこころ

わたしのなかで　たたかっている

どっちがかつかは　だれもわからない

ひとつがかつと　くるしくて

ひとつがかつと　らくになる

できれば　らくになりたいけれど

なかなかうまく　いかないんだ



こころって　むずかしいね

だって　じぶんだって　じぶんのこころのこと　わからないんだから

だけど　これは　わたしのもんだい

わたしが　わたしのちからで　かいけつするもんだい

わたしにあたえられた　わたしのもんだい



ふたつのこころが　きょうもたたかっている

わたしは　ひっしに　もがいているの

らくになりたいと　もがいているの

このたたかいが　おわるころには　いまよりずっと　らくになるかな

いろんなしがらみから　のがれて　たかくたかく　とんでいけるかな

あたらしいばしょへ　とんでいけるかな

わたしのこころの　あたらしいおうち

いまよりずっと　すてきなおうち

そんなばしょに　とんでいけるかな



ふたつのこころが　ひとつになるころには