白い封筒

郵便受けを見た。

白い封筒が一通、入っていた。

胸がドキドキした。



自分に言い聞かせながら、取り出してみる。

「大丈夫、大丈夫」と。



まだ、私の心から消えることの無い、あの日。

今日は、あの日を思い出してしまった。

送り主が、ちゃんと書いてあっても、

それが、安心できる相手であっても、

まだまだ私の心は、対応しきれない。



心が痛んだ。

とっても、とっても痛くなった。

封を開けるのが怖かった。

とっても、とっても怖かった。







中身を取り出し、読んだ。















涙が出た。















その優しさに、

その温かさに、

その心の広さに、

その慈しみの深さに…







あぁ、私はなんて素敵な人と出会ったのだろう。

あぁ、私はなんて素晴らしい人たちに囲まれているのだろう。

どうしたら、こんな風になれるのだろう。

何を考え、どのように思い、何と出会い、どんな道を通ってくれば、

こんな風になれるのだろう。








そう思いながら、いろんなことが頭の中をよぎる。

あの日から、今日まで、

たくさん、たくさんのこと。

心の底の奥底に、仕舞ったはずの出来事が、

しっかりと閉めたはずの引き出しの鍵をこじ開けて、

どーーんと溢れ出して来る。



ちょっと、負けそうになった。

ちょっと、ひきずられそうになった。

…まだまだ修行が足りないな。



さぁ、気を取り直して。

素晴らしい人々に囲まれてる幸せを噛み締めながら、

私の時間を生きていこう。




白い封筒いっぱいの優しさに勇気をもらって、

白い封筒を克服できる日が来るのを信じて。