嘘

嘘がつける人間になれば、少しは楽になるのだろうか。

俺みたいに、何でもかんでも言葉にしてしまう人間。

それは周りに多大な迷惑をかけているのだろう。



なんで嘘がつけないのか。

嘘がつけないのが、こんなに人の迷惑になろうとは。

俺が少しでも上手に嘘がつければ、

自分を誤魔化すことが出来れば、

人の為に嘘が言えれば…




考えたらキリがないが。

それでも、時に思う。





嘘がつければ、どんなに楽だろう。






と。

何で俺は、嘘がつけないのか。

それが、人の為になることでも、

それが、自分を守ることでも、

嘘をついたり、黙っていたり、

そんな生き方はできない。






なんだ、俺。

しっかりしろよ、俺。

おっきくなれよ、俺。






見てみろよ、周りを。

嘘の塊じゃねぇか。

そんなヤツは、上手にこの世の中を渡り歩いているじゃないか。

ちょと、自分を騙すだけでいいんだぜ。

そうしたら、きっと楽になれるはずだぜ。





















だけど………できねぇんだよ。





嘘、ってついた方が楽なのかな。





俺はやっぱり、俺のままでいたいな。